和食材カレンダー

2026-10-27

走り・盛り・名残 旬にある三つの顔

日本では、同じ食材でも出はじめと最盛期と終わりかけを別のものとして扱います。値段も味も、呼び名も変わります。

八百屋や魚屋で「走りですね」と言われたことはないでしょうか。日本の旬は一点ではなく、三つの時期に分けて考えられてきました。

走り(はしり)

その年にはじめて出回るもの。量が少ないので値は高く、味はまだ淡い。それでも珍重されるのは、季節の訪れそのものを食べているからです。初鰹に「女房を質に入れても」という言葉が残っているのは、この気分をよく表しています。

盛り(さかり)

最も量が出て、味も乗る時期。脂も身の締まりもこの時期に頂点に達します。当サイトのカレンダーで濃い色をつけているのは、おおむねこの盛りの時期です。値段が落ち着くのもここで、まとまった量を動かすならこの時期になります。

名残(なごり)

終わりかけ。身は痩せはじめますが、脂がのって味が濃くなるものもあります。次の季節に移る前のひと皿として、料理人はこの時期をことさら大事にします。

同じ品目でも、産地で三つがずれる

日本は南北に長いので、同じ魚でも九州では名残、北海道では走り、ということが起こります。サンマが北から南へ下りてくるように、産地が移っていくものは特にそうです。カレンダーの時期はあくまで全国の目安として見てください。

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